2026.5 日本の稲作を守る会 NPO法人民間稲作研究所便り
5月のお送りする有機栽培米は次の生産者です。
有機白米・玄米コシヒカリ 五十畑 匠さん(栃木県栃木市)
次回は6月6日(土)配送予定です。
御都合の悪い方ご連絡くだされば対応いたします。
イネつくりの到来-「育つ・育てる」の視点-
水を張った田んぼが多くなり、本便りが皆さんのお手元に届くころには、多くの田んぼが小さな緑で覆われていることでしょう。今年もイネつくりが始まり、約半年後に白く輝くコメが各家庭の食卓に届くわけですが、昨年のような価格の高止まりは避けたいものです。生産者と消費者がwin-winであることを願うばかりです。
英単語でみるつくる(作る)こと-①他産業の場合-
机をつくる、洋服をつくる、車をつくる等々、「つくる」という言葉はとても多義にわたって使われています。これを英単語で考えますと、目的物によって違う単語が使われます。
- make a desk[机を作る]:makeがもっとも一般的に使われます。
- shape a candle out of wax[ロウでローソクを作る]:とくに外部の力である形にすることを暗示します。
- manufacture textiles[繊維製品を作る(製造する)]:機械を用いて原材料を一定の過程をへて製品にします。
- fabricate a house[家を作る(組み立てる)]:材料・部品から規格化された様式・技術により全体を作ります。
- assemble cars[自動車を作る(組み立てる)]:部品を結合してある目的のものを組み立てることで、一貫作業に用いられることが多いです。
その他まだまだたくさんあります。
英単語でみるつくる(作る)こと-②生き物(農畜産業)の場合-
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生き物に対してはmakeではなく、「育てる」を意味するrear(raise)を一般的に使います。そして、対象物によって次のように用いられます。
- bring up[人(子供)を養育する]
- grow[植物・果実を栽培する]
- breed[動物(家畜)を飼育する]
そうしますと、稲をつくる(作る)はgrowになります。
それぞれの物差しで-「育つ」を「育てる」-
“grow”には他動詞としての「育てる」と、自動詞としての「育つ」の2つの用法があります。イネやトマトなど作物は彼ら自身で育つことができるわけで、私たちはその育つ環境を整えて育てているわけです。つまり、主役は作物であり、私たち人間(生産者)は脇役です。つまり、育つのを育てることです。人を育てることと一緒ですね。この点が製造業との大いなる違いになります。
ですから、いろいろな生産性を測る場合、農業と非農業はそれぞれ別の物差しを用いることが重要です。現状においては、言わば重さと長さを同じ土俵で比べているようなものと思われ、製造業の論理で農業を見つめていたら、ますます誤った方向に行ってしまうのではないでしょうか。
【季節の話題】サクラ(桜)からツツジ(躑躅)へ
主役の交代
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美しく豪華に咲き誇り、日本中を魅了したサクラの花弁はすっかり地上に舞い落ち、今は葉ザクラとなってしまいました。それに置き換わるように咲いているのがツツジです。
躑躅という漢字
過日、新聞を読んでいたら躑躅という漢字に出会いました。初めて見る漢字であり、記事の内容を読まないととても読めるものではありません。その文字からツツジということをとても読み取れないことに興味を惹かれ、漢和辞典でその意味を調べてみました。
- 躑:足と音を表す鄭(テイ、とどまるの意)とで、進もうとしても進めない意を表すとのこと。立ちどまる、たたずむ、行きなやむ、ということを表すとありました。
- 躅:足と音を表す蜀(ショク、はなれない意)、あしぶみする、行きなやむ、たたずむという意を表すとありました。
調べたことで心豊かになりました。
表意文字としての漢字
この2つの漢字はツツジの美しさを的確にとらえていると思います。緑に囲まれて彩りに鮮やかに咲き誇る小さな花弁たちは、まさしく、佇み行き悩み、進もうとしても進めないことを如実に表現していると思います。
その理由として2つありまして、1つは緑とのコントラストがいいこと、もう1つは低木ゆえに間じかに見ることができること、にあると思っています。とくに、雨上がりの躑躅の美は何物にも代えがたい美しさがあり、生命の息吹すら感じます。
日本らしさ
近年、日本人ファーストなる言葉がマスコミを賑わすようになってきました。しかしながら、それは外国人排斥とも受け取れるような言動に思えます。今の日本を見つめた場合、あらゆる面に「劣化」が進んでいるように思えるのです。頻繁に使われているカタカナ語、いわゆるウエスタンスタイルの住居、ごはんではなくパン主体の食生活、などなどがそれです。
手書きでツツジを漢字で書きなさいと言われても苦労しますけど、今はワープロがありますから簡単に変換できます。でもそこで終わっては頭に残りません。その漢字の表意をきちんと理解することが大切です。
「美しい日本をつくる」ということが言われていますが、日常の生活の中にその美しさがたくさん潜んでいるものです。
【クイズ】
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イチゴは栃木県が誇る代表的な作物で、日本一の生産量を何十年も保持していることは皆さんご存じのことと思います。このイチゴの生産もほぼ終わりになってきましたが、半年後にはまた市場に出回ります。つまり、10月半ばから5月下旬までの約7ヶ月もの期間にわたって、市場にあるわけです。まさに四季なりです。
ところで、イチゴの季語はいつだと思いでしょうか? AIに聞かないで直感で考えてみてください。答えは来月号でお知らせします。 (文責 齋藤一治)