有機農業の現状

Ⅰ.日本における有機農業とは

有機農業はこんな農業です

  • 化学肥料や化学合成農薬を使用しない
  • 環境への負荷を出来る限り提言する
  • 遺伝子組み換え技術を利用しないことを基本とする

日本の稲作を守る会及び稲作研究所では、循環型有機農業も含めた有機農業を実践しています

有機JASマークは信頼の証

  • 有機JAS規格の基準に従って生産する
  • 第三者機関が検査を行い、承認される
  • 有機JASマークを掲示して販売可能に

有機農業=生き物たくさん?

有機農業を実践する田んぼや畑には生き物がたくさん!

Ⅱ.世界の有機農業の現状

  1. 世界の有機食品売上は年々増加しており、2017年では約970億ドル(約10.7兆円/1ドル=110円)。
    アメリカの有機食品売上は世界全体の43%を占め、北米と欧州で世界の有機食品売上の約90%を占める。 日本は、中国に次いでアジア2位の市場規模で、世界では13番目の規模。
  1. .有機食品市場規模は、2017年消費者アンケートの結果をもとに1,850億円と推計
    近年は米国やEU向けの輸出が増加傾向
  1. .国内で有機JAS認証を取得した農産物(格付けされた有機農産物)は年間約7万トンで、平成29年度では約7割が野菜、1.4割が米。 国内の農産物総生産量のうち有機農産物が占める割合は、茶6%程度、野菜や大豆は約0.4%、米や麦は0.1%弱 海外から日本に輸入される有機農産物は年間3.3万トンで、大豆と果実が過半を占める。 他方、海外で格付けされ日本に輸出されていない有機農産物は209万トン(海外で格付けされた有機農産物の98.5%) 外国で格付けされた野菜・果実のうち、日本に輸入される量は輸入されない量と比較して少ない。 他方、野菜缶詰など、野菜水煮、果実飲料などは外国で格付けされ日本へ輸入される量の方が輸入されない量よりも多く、野菜・果実は海外で加工してから輸入される量が多いと推測される。
  1. 世界の有機農業取組面積は、1999年から2017年の間に約6.3倍に拡大、全耕地面積に対する有機農業取組積割合は約1.4%(2017年) 有機農業の取組面積割合は、欧州諸国で高い一方アメリカや中国では面積割合は低く1%に満たない。
  1. 日本の有機農業の取組面積は、平成21年に対して、平成29年は有機JAS認証を取得していない農地は43%増加、有機JAS認証を取得している農地は19%増加
  1. 平成22年時点で、有機JAS取得農家は約4,000戸、有機JASを取得せずに有機農業に取り組む農家は約8,000戸と推定。 平成29年時点で、有機JASを取得している農家数は、北海道、熊本県、鹿児島県で200戸を超えており、13道県で100戸以上。ただし、その総数は、全農家数の減少と同様に経年的にはやや減少。平成28年から平成29年にかけては40戸増加。 他方、新規参入者のうち有機農業に取組んでいる者は2~3割と高い傾向。新規参入者は49歳以下の割合が高く、有機農業に取り組む生産者は、農業全体で見た場合よりも平均年齢が若い特徴。
  1. 有機栽培や特別栽培などを行っている者が取組面積を縮小する際の理由は、「労力がかかる」が最大で、販売価格や販路開拓の課題よりも割合が高い。 慣行栽培との経営比較では、特に除草を含む労働時間が慣行栽培より大きい特徴がある。
  1. 販路確保のため取組を実施している市町村は5%。イベントの開催、出展支援などが行われている。 また、地域内での消費拡大に向けた取組は8%の市町村で行われており、地域内でのイベント開催・出展支援、地域ブランド認定による販売促進などが行われている。 13%の市町村で実需者(流通業者、販売事業者、学校関係者、消費者など)の関心を高めるための取組が行われており、給食への食材提供の他有機JAS制度の普及などが行われている。