2026.8 日本の稲作を守る会 NPO法人民間稲作研究所便り
8月のお送りする有機栽培米は次の生産者です。
有機白米・玄米 コシヒカリ 永塚 文男さん(茨城県古河市)
次回は9月5日(土)配送予定です。
御都合の悪い方ご連絡くだされば対応いたします。
「第3回全国オーガニック給食フォーラムin小山」開催
NPO法人民間稲作研究所理事長 舘野廣幸
全国オーガニック給食フォーラムは、第1回が2022年に東京都中野区で、第2回が2024年に茨城県常陸大宮市で開催されました。栃木県小山市で7月25~26日に開催された第3回のフォーラムには、全国から本会場とサテライトで約1,400名が参加しました。オーガニック給食は、未来を担う子供たちにより安全安心な食を提供するだけではなく、食と農や地域の結びつき、そして何よりも食と命の繋がりを学ぶ大切な意味があります。
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世界中で環境の変化や社会状況の不安定化が進行する現在、「人新世」とも呼ばれる人間の過剰な経済活動による危機を防ぐには、一人ひとりの意識変革が重要です。持続可能な地球環境と人間を含むすべての生きものたちの生活環境を再生・創造するためには、生きる糧である「食べもの」が生まれる農業とそれを支える地域や流通、そして消費、循環という「生命の環」としてのフードシステムが不可欠です。子供たちが笑顔で暮らす未来へ、まずはオーガニック給食から実現しようという取り組みです。
今回のフォーラムでは日本でのオーガニック給食の実践事例だけではなく、韓国で行われているオーガニック無償給食など先進的な報告も注目されました。さらに8つの分科会では①有機農法の未来、②地産地消のオーガニック給食体制、③エディブル・スクールヤードの学び、④現場の意識を政策に生かす架け橋、⑤共に生きる世界で育つ生物の多様性、⑥韓国の民主化運動が実現させたオーガニック給食、⑦子供たちと共に目指すアグロエコロジー、⑧オーガニック給食で変わる地域社会という広範なテーマで討論を行いました。
その結果、子供たちの視点からのオーガニック給食の確立、生物の多様性と環境を守る自然共生有機農業の普及、生命と健康を守る公正で民主的なフードシステムの実施が重要であり、そこから食と農と環境が固く結びつく地域が増えることによって豊かで安心な「まち」が実現できるという方向性が見えました。2年後の2028年には京都府亀岡市にての第4回のフォーラムへと引き継がれました。このようなオーガニック給食の取り組みは、民間稲作研究所の稲葉光國前理事長による2017年千葉県いすみ市の「有機米100%の学校給食の実現」が原点となっています。これからも民間稲作研究所は全国の子供たちのためにオーガニック給食を支える有機米や有機農産物の産地づくりに尽力したいと思います。
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「第3回全国オーガニック給食フォーラムin小山」に参加して
日本の稲作を守る会 大金典子
初日の午後に開催された8つの分科会のうち、第7分科会の「アグロエコロジーが目指すもの~こどもたちが幸せに暮らせる社会~」に参加しました。その感想を述べてみます。
座長の吉田太郎氏(フリージャーナリスト)のユーモアを交えた分かりやすい進行で、2時間があっという間に過ぎてしまいました。話題提供者として、研究者の松平尚也氏(宇都宮大学助教 国際アグロエコロジー担当)、地元小山市の田園都市構想に関わっている廣瀬俊介氏(有限責任事業組合風景社)、生産者の國母克行氏(こくぼ農園)、自然栽培(一部有機栽培含む)の野菜を定期宅配している野原典彦氏(ナチュラルフード森の扉)、オーガニック給食を目指して市民活動している安田理恵子さん(とちぎ夢給食プロジェクト)の方々から、研究および実践報告がありました。
海外の学校給食では子どもたちが給食作りに参加していると聞き驚きました。栽培、収穫、調理、食事を一つの学びとして「生きる力を育てる教育」と考えている取り組みは日本でも広げていきたいと感じました。
生活する地域の風土性を調査するとその土地に合う生き方が分かり、自然が人間にインスピレーションを与えて文化が生まれます。という風景社の方のお話は農業にあまり馴染みのない人でも食や農に興味が持てるような見方だと思いました。
アグロエコロジー的生産、活動をしている方は、幅広いネットワークを持ち、生物多様性の土地で循環している農業を行い、みんなで集まり楽しくおいしいものを作り食べている様子が伝わってきました。日本の農業、学校給食においては人手不足、予算不足、食の安全等問題点はあるが~こどもたちが幸せに暮らせる社会~を考えて人と繋がり、おいしいものを作って食べながら話し合い、先人達の知恵を学び、工夫することで解決の道を探していきたいと感じました。
【書斎の小窓】81回目の終戦記念日を迎えるにあたって
テレビ報道のウクライナやイランの戦場は悲惨そのものであり、とりわけ平凡な庶民と思われる人々の悲痛な叫びは心が痛むばかりです。改めて、「平和」を実現するための言葉を書いてみます。
人と人の間にコンピュータのネットワークがはさまると、人は密室の中で身の危険もなく、良心のとがめもなく、盗みも、プライバシーののぞき見も、人への嫌がらせも、手紙や書類や原稿の書き換えも、何でもできます。
人と物との間に機械がはさまっている分には、このような問題は起こらないのですが、人と人との間に機械がはさまり、その機械がコンピュータになってくると、従来の文明ではありえなかった恐ろしさがにわかに膨れ上がります。ここに現代文明の最大の影があります。
その可能性をできる限り抑える道は、人と人とがいつも密接に接触して、人が人にやさしい関係をつくることにあります。そのやさしい関係とは、「すべての人の生命と自由とを互いに尊重すること」、つまり基本的人権を尊重することにつきます。
引用:星野芳郎『技術と文明の歴史』岩波ジュニア新書(2000年)p229~230
(文責 斎藤一治)